皆さん一度は学校や職場、地域で防災避難訓練を実施したことがあるかと思います。地震や津波、火災を想定した避難訓練だったのではないでしょうか。その際よく、「津波は垂直避難」で「火災は水平避難」と言われています。それはなぜなんでしょうか。
今回は地震と火災、それぞれのケースに応じた避難方法を紹介します。
垂直避難とは
垂直避難とは、災害時に建物の2階以上の高い場所へ移動して安全を確保する避難方法です。具体的には、自宅や近隣の建物の上層階、あるいは高台などのより高い場所へ避難することを指します。
この避難方法は主に以下の状況で重要となります
- 津波や洪水の危険がある場合
- 避難所までの移動が困難な場合
- 災害が切迫しており、遠くへ逃げる時間的余裕がない場合
- 夜間で見通しが悪い場合
- すでに被災している場合
垂直避難は特に以下の地域で必要性が高くなります。
- 低地や河川沿いの地域
- 海岸沿いの地域
- ダムや堤防近くの地域
垂直避難の利点は、避難に要する時間と距離を最小限に抑えられることです。これにより、避難途中での危険を回避し、迅速に安全な場所へ移動することができます。
ただし、垂直避難を選択する際は、建物の構造や予想される浸水の深さなどを考慮する必要があります。状況に応じて適切な避難方法を選択することが重要です。
水平避難とは
水平避難とは、災害発生時に可能な限り危険な場所から離れ、安全な場所へ移動する避難方法です。
地域で指定されている避難所への避難もこれに該当します。
被災までに時間的余裕がある場合に適しています。
水平避難が推奨される状況には以下のようなものがあります。
- 安全な空間を確保する必要がある場合
- 遠くへ逃げる必要がある場合
- 建物が倒壊する可能性がある場合
- 浸水深が建物よりも高い場合
- 土砂災害特別区域にいる場合
地震の場合、建物に倒壊の危険性がある場合は水平避難が適しています。特に1981年以前に建てられた耐震基準を満たしていない建物では、水平避難が重要となります。
ただし、避難する際は必ず揺れが収まってから行動し、車の使用は避けるべきです。
水平避難は原則として、危険性のない場所へ移動することですが、状況によっては「垂直避難」(建物内の高い階への移動)が適切な場合もあります。災害時には状況を適切に判断し、最も安全な避難方法を選択することが重要です。
津波は垂直避難?
「津波は垂直避難」、これは今では当たり前のように知られています。まだ記憶に新しい「令和6年能登半島地震」や「東日本大震災」で発生した津波により甚大な被害を受けた教訓からも、さまざまな場面で「地震の後には高台へ避難しろ」という教えが広まったからだと思われます。
地震は水平避難→津波は垂直避難
地震が発生したら、真っ先に今いる場所から垂直避難したら良いかというと、そうではありません。
状況に応じて垂直避難または水平避難を選択する必要があります。
住んでいる地域によって津波の到達時間が異なる
自分が住んでいる地域、学校、職場で地震が起こったら、津波の到達までどれくらいの時間があるか、事前に到達予想時間を調べておきましょう。それを知ることで、より落ち着いて確実な行動をとることができます。
建物に垂直避難する場合は「倒壊しないか確認」
建物に倒壊の危険性がない場合は、垂直避難が適しています。耐震性が十分にある家屋では、1階へ避難して外に逃げられる準備をしましょう。一方、耐震性に不安がある建物の場合は、2階に避難することが推奨されます。2階の重みで一階が圧壊することも度々起こっています。
しかし、建物に倒壊の危険性がある場合は、水平避難が適しています。特に1981年以前に建てられた家屋は、大きな地震で倒壊する可能性が高いため、すぐに外へ避難する必要があります。
車での避難は避けるべき!
地震が発生した時、運転中かもしれません。新車を購入したばかりかもしれません。いずれにせよ、車に乗って避難したくなりますが、やめましょう。
もし運転中だったら、
- 路肩にゆっくり停車して
- 揺れが収まるまでラジオで情報収集をして
- 揺れが収まったら速やかに車をおいて
- 高台へ避難しましょう
*その際、ドアをロックせず、キーは差したまま、車検証などの貴重品は持っていくことが推奨されているようです。しかし、盗難などの被害が実際にあるかもしれませので、ご自身で状況に応じた判断が必要になります。
地震発生直後は
- 道路の陥没、建物の倒壊がある
- 交通事故や渋滞が発生している
- 信号機が停止している
- 緊急車両の妨げになる
さまざまな要因が重なり、車での避難は非常に困難なのです。
何が起こるかわからないのが自然災害です。
場合により、確実に車で逃げなければ命に危険が及ぶのであれば、それも正解かもしれません。自分や周りの人の命を守る行動を優先しましょう。
火災は水平避難?
火災が発生した際には、水平避難が適しています。火災の煙や炎は上方向へはすぐに昇っていくからです。避難する際は、煙を吸わないようにハンカチなどで口と鼻を覆い、姿勢を低くして逃げましょう。
しかし、火災は必ずしも水平避難が正解ではありません。
地震同様、場合に応じて避難方法を選ぶ必要があります。
火災の状況や建物の構造によって、適切な避難方法が異なります。
一般的に、火災時の避難には以下の2つの方法があります。
水平避難
同じ階の安全な場所や隣接する建物へ避難する方法です。マンションやアパートではバルコニーのパーテーションを破って隣へ脱出することもあります。
垂直避難
炎の少ない外の非常階段や避難はしごで地上へ避難することが有効です。エレベーターは途中で止まってしまう可能性があるので、使用はやめましょう。
火災に対する備え
最後に、火災に対する備えとしておすすめな商品をご紹介します。
防煙フード



火災で一番恐ろしいのは煙や有毒ガスなんです。呼吸を確保することでより落ち着いた避難ができ、生存確率が上昇します。小型なので普段使用する通勤通学カバンの中に入れておくのもいいかもしれませんね。
投げ込みタイプの消火剤

投げ込むだけで簡単に消火できるのでお年寄りにも使いやすいです。コンパクトで場所を選ばないので一家に一つあると安心ですね。
インテリアに溶け込む消火器

家の中に真っ赤な消化器があると、せっかくのおしゃれなお部屋が消火器で台無しになってしまいますからね。実はインテリアに馴染むこんなにおしゃれな消化器もあるんですよ。
まとめ
今回は、垂直避難と水平避難の考え方について紹介しました。地震や火災の避難方法に絶対はないと考えています。
重要なのは、状況に応じて適切な選択ができるように、
事前に避難経路と避難方法を確認し、常に確保しておくことです。また、住宅用火災警報器の定期点検や消火器の設置など、日頃からの備えも重要です。特に高齢者や身体の不自由な方は、周囲の人と一緒に避難経路と避難方法を共有しておくことが大切です。
引用:SBKけむりフード
ファイテック 投てき消火用具
デザイン消火器
