防災

南海トラフ地震、津波の新しい想定。あなたの街、大丈夫?

2025年、南海トラフ地震による津波の浸水被害想定が見直され、多くの地域で「これまでより深刻な被害が出る可能性」が示されました。「うちは海から遠いし、大丈夫でしょ」
そう思っていた地域にも、津波が押し寄せる可能性があるんです。

災害は、いつ起きるかわかりません。しかし、「備えること」は、今すぐにでもできます。

このブログでは、その内容をわかりやすく解説しながら、日々の暮らしの中でできる防災のヒントをお届けします。
「もしも」の日に備えて、今、私たちにできることを一緒に見つけていきましょう。

なぜ今、防災を考えるべきなのか

最近、南海トラフ地震に関連する新しい津波浸水想定が発表されました。その内容は、これまで「津波の影響を受けない」と思われていた地域にも、深刻な浸水のリスクがあることを示しています。特に、沿岸から数十キロ離れた内陸部まで津波が到達する可能性があるとされ、これまでの予想を大きく上回る影響が懸念されています。

「私の家は大丈夫だろう」と思っていた地域でも、万が一の災害時に備えが十分でないことがわかり、少し不安になった方もいるのではないでしょうか。

防災という言葉を聞くと、つい「自分には関係ない」と感じることもあります。でも、地震や津波はどんなに遠くの話でも、私たち一人一人に直接影響を与える可能性がある現実です。
あなたの家、あなたの大切な人、津波が来たらどうなるか、今一度、考えてみましょう。

最新の津波被害想定のポイントをわかりやすく解説

1. 南海トラフ地震の発生確率が80%に引き上げ

2025年1月16日、政府の地震調査委員会が発表した新しいデータによると、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率は80%程度となり、従来の「70〜80%」から引き上げられました。この情報は、過去のデータや最新の地殻変動観測を元にしたもので、南海トラフ地震のリスクが非常に高いことを意味しています。

特に、近畿地方では、京都、大阪、和歌山、兵庫などがその影響を受けやすい地域とされています。例えば、大阪湾をはじめ、紀淡海峡(和歌山と淡路島の間)周辺など、沿岸地域に加え、少し内陸部にも津波が到達するリスクがあることが分かってきています。このような高確率の地震発生に備えることが、私たちにとって最も重要です。

2. 津波浸水想定の更新

さらに、津波浸水想定の更新により、近畿地方にも大きな影響があることが明らかになりました。防災科研(NIED)の最新評価によると、南海トラフ地震が発生した場合、近畿地方では、特に和歌山県、三重県、兵庫県の沿岸部が大きな影響を受けるとされています。また、予想される津波の高さは、最大で10メートルを超えることもあり、海沿いだけでなく、さらに内陸部に至るまで浸水範囲が広がる恐れがあります。

例えば、大阪府では、大阪市や堺市をはじめとする沿岸部の浸水リスクが高まっています。特に、堺市や泉佐野市、岸和田市などでは、津波が想定よりも早く到達する可能性があるため、迅速な避難が求められます。

また、和歌山県では、太平洋側の沿岸地域、特に南紀白浜や和歌山市などが影響を受けると考えられており、これらの地域では津波到達時間が比較的短いため、いち早い避難が必要です。

今からできる防災アクション

  • 避難経路の確認
  • 家族との連絡手段のルール作り
  • ハザードマップの見方
  • 防災グッズの点検 etc.
  • 心の備えと地域のつながりを日頃から意識する
  • 「ひとりで生き延びる」じゃなく、「支え合って乗り越える」大切さを周知

まとめ

津波浸水範囲の拡大

津波浸水想定が「増えた」とは、具体的には浸水範囲が広がったことを意味しています。最新のシミュレーションでは、地震の規模や津波の高さがより精密に予測され、沿岸地域だけでなく内陸部にも津波が到達する可能性が示されています。これにより、浸水範囲が以前よりも広がったのです。

津波の到達時間の短縮

近年の地殻変動に関する新しいデータが反映され津波の到達時間が短縮されています。これにより、従来は安全と考えられていた地域にも、非常に短時間で津波が到達することがわかり、浸水が広がったと言えます。

例えば、和歌山県や大阪府の沿岸部、兵庫県淡路島などでは、津波が到達するまでの時間が想定よりも短くなり、より早い避難が求められることが分かりました。

新しい津波ハザード評価の導入

防災科研(NIED)などの研究機関が行った新しい津波ハザード評価によって、これまでの「標準的なシナリオ」だけでなく、さまざまな状況を想定したデータが公開されました。これにより、従来よりも詳細な地域ごとの情報が明らかになり、特定の地域での浸水深度や広がりが拡大しました。

津波の影響範囲が内陸部にも拡大

新たな想定では、内陸部まで津波が到達する可能性も示されています。これにより、これまで「安全」と考えられていた地域、例えば大阪市や神戸市の一部内陸部、さらには岬や丘陵地帯でも浸水が発生するリスクがあることがわかりました。

例えば、大阪府の堺市や泉佐野市など、海から数十キロ離れている地域でも津波の影響を受けるリスクが高まったことが指摘されています。

引用:

1. 海上保安庁 津波防災情報図

海上保安庁では、南海トラフ地震などに備えた津波シミュレーションを実施し、その結果を「津波防災情報図」として公開しています。​この図では、津波の進入方向や最大流速、到達時間などが示されており、地域ごとの津波リスクを視覚的に理解することができます。​


2. 防災科研(NIED) 津波ハザードステーション(J-THiS)

防災科学技術研究所(NIED)の「津波ハザードステーション(J-THiS)」では、南海トラフ沿いの地震に対する確率論的津波ハザード評価を公開しています。​これにより、各地域ごとの津波の高さや到達時間、浸水範囲などの詳細な情報が提供され、地域ごとの具体的な備えが可能となっています。​


3. NHK全国ハザードマップ

NHKが提供する「全国ハザードマップ」では、南海トラフ地震に関するシミュレーション結果を基に、津波の浸水予想範囲を地図上で確認することができます。​特定の地域を選択することで、詳細な情報を得ることができます。​

写真:PIXTA