防災

マンションと戸建てで異なる災害時の避難経路

東日本大震災のような自然災害や火災、水害、雪害などが起こった際、自宅が必ずしも安全な場所とは限りません。

もし、在宅中に地震や火災が起こり、すぐに自宅から外へ避難しなくてはいけない時に玄関への経路がふさがっていたらどのように外へ脱出しますか?

事が起こってからでは手遅れなので、早めに確認しておきましょう。

そこで今回は、マンションと戸建てそれぞれの避難経路の確保についてご紹介します。

マンションは「二方向避難」

実はマンションには「二方向避難」という、避難経路についての法律が定められています。二方向避難とは、階段やバルコニーなど、別々の方向に避難できる経路を2か所確保することを指します。

火災や地震などの災害時に、一方の避難経路が使用できなくなった場合でも、もう一方の経路から脱出できるようにするための重要な安全対策です。

二方向避難とは具体的には以下の通りです。

①玄関側の避難経路

通常は玄関から外にでて、非常階段等を使用し、安全なところへ避難します。

②バルコニー側の避難経路

バルコニーの床に避難ハッチが設けられており、はしごを使って下の階のバルコニーへ降りる事ができます。

緊急時にはパーテーションを突き破って隣の家のバルコニーへ移動します。蹴れば簡単に壊せます。

自分の部屋のバルコニーに避難ハッチがついていない場合もあります。その際もパーテーションを突き破って避難ハッチがついている部屋のベランダへ移動してハッチから降下します。

引用:ナカ工業

https://www.naka-kogyo.co.jp/products/tascarl-spcj-spcf.html

注意

マンションにお住まいの方は、以下の点を事前に確認しておきましょう。

  • 同じ階のどの住戸に避難ハッチがあるか。
  • バルコニーに避難を妨げるものがないか。
  • マンションから避難する先。一時集合場所や避難所の場所。

バルコニーは専有部分ではなく共用部分であり、避難経路として重要な役割を果たすため、物を置かないよう注意が必要です。特に、避難ハッチや隣家とのパーテーションを塞ぐものとしてありがちなものは、デッキチェアやエアコンの室外機、屋外倉庫、観葉植物などです。

また、足がかりになるものは子供がよじ登り、転落事故の原因にもなるので特に注意が必要です。

戸建ては「複数の避難経路確保」

戸建て住宅の場合、マンションと違って一般的に二方向避難の義務はありません。戸建て住宅は、共同住宅とは異なり、複数の世帯が同時に避難する必要がないため、法律で定められた二方向避難の要件は適用されません。

ただし、安全性を高めるために、戸建て住宅でも複数の避難経路を確保することが推奨されます。

戸建て:1階の場合

戸建ての場合は玄関や勝手口の他に掃き出し窓を脱出経路の候補にするのもいいでしょう。1階の窓には格子が取り付けられている事が多いので、閉じ込められないように確認しておきましょう。

戸建て:2階の場合

戸建ての場合は2階からの避難はハッチが設置されていないので、避難はしごを寝室に用意しておくといいでしょう。

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注意

目につきやすい場所に避難はしごを置いておくと、万が一空き巣が侵入した際に逃走用に使われてしまうリスクもありますので、置いておく場所には配慮が必要です。

まとめ

日頃から家族で、地震や火災、水害が発生した際にどの経路で避難するかを話し合いや点検をするようにしましょう。

マンションは「二方向避難」

  • バルコニーの避難ハッチから安全な階へ避難
  • パーテーションの前にものを置かない
  • 子供が登るものを置かない

戸建ては「複数の避難経路確保」

  • 1階は玄関・勝手口・掃き出し窓から逃げる
  • 2階から避難するための避難はしごを寝室に用意する

特に小さいお子さんがいるご家庭や、一人でお留守番をすることがある場合は、一度話し合う機会を持つことをおすすめします。近い将来、南海トラフ地震が発生すると予想されているので、今からできる備えはしておきましょう。