皆さんは「エコノミー症候群(静脈血栓塞栓症)」という言葉を聞いたことはありますか?
地震などの大規模災害で狭い空間で避難生活をしていたり、車中泊などで、長時間同じ姿勢を保つことで引き起こされる危険な病気です。
主な原因は、狭い座席に長時間座り、足を動かさないことによる血行不良により血液が固まり、血栓が形成されます。
症状と危険性
エコノミークラス症候群の症状には、
動悸、息苦しさ、胸痛、冷汗、失神などがあり、重症の場合は血栓が肺に到達し、呼吸困難や意識障害を引き起こす可能性があります。
エコノミークラス症候群は重篤な場合、死に至る可能性があります。2016年の熊本地震の際には、54人がエコノミークラス症候群で入院が必要と判断され、そのうち8割以上の42人が女性だったようです。
自分自身で予防することが大切です。
今回はエコノミー症候群の予防について紹介します。
出典:https://www.kumamoto-archive.jp/post/58-99991jl0004fon
予防法① 水分補給をしよう!
水分補給が重要です。血液をサラサラに保つため、1.2~1.5リットル程度の水をこまめに摂取するようにしましょう。
災害の発生直後はトイレが不足し、衛生的にも綺麗とは言えない環境になります。
なので、「汚いトイレには行きたくないしなぁ。。。トイレに行きたくなるから水分を控えよう!」という考えになりがちですが、絶対にダメです!
体内の血液がドロドロになり血栓ができやすくなりエコノミー症候群のリスクが高くなります。
このことからも、非常用トイレを備蓄することの大切さがわかりますね。必ず備えておきましょう。
防災トイレについては過去の記事「災害時最優先で備蓄するものはコレ!」でも書いているので、そちらも合わせてご覧ください。
予防法② 運動をしよう!
軽い運動は血液の循環を促し、血栓の予防になります。
特に足は血液を運ぶポンプの役割なので、足首の曲げ伸ばしや、ふくらはぎのマッサージ、足指じゃんけんなどを行うのがおすすめです。

予防法③ 服装を工夫しよう!
ゆったりした服装で血流を妨げないようにするのも効果的です。
締め付けがキツイと血液が留まり血栓の原因になります。ストレスの軽減にもなるので、リラックスできるようにゆったりとしたジャージのような服を用意しておくといいでしょう。
予防法④ アルコールやカフェインを控えよう!
アルコールやカフェインには利尿作用があるので過剰に排泄することで脱水となることがあります。これもまた、血液をドロドロにするのです。脱水を防ぐため、これらの摂取は避けるようにしましょう。
予防法⑤ 栄養のある食事をしよう!
おすすめは、サバ缶です。サバ缶にはDHAが豊富に含まれています。 DHAやEPAは血液の流れをスムーズにし、血管の健康をサポートする働きがあるとされています。
サバ缶の水煮100g当たりにDHAが1300mg含まれており、これは生のゴマサバ(830mg/100g)よりも多い量です。さらに、一般的なサバの水煮缶(約200g)の半分を食べるだけで、厚生労働省が推奨する1日の目標摂取量(1000mg以上)を十分に摂取できます。
DHAは体内で合成できない必須脂肪酸の一種で、主に脳や神経系に働きかけます。
DHAには以下のような効果が期待されています。
- 高齢者の認知機能を高める
- 脳の神経伝達をスムーズにする
- 子どもの知能レベルを向上させる
- 不整脈やうつ症状などを予防する
サバ缶は手軽に入手でき、DHAを効率的に摂取できる優れた食品なので、防災備蓄との相性もバッチリなんです。
まとめ
エコノミー症候群は適切な水分補給と適度な運動で十分に予防する事ができます。被災生活に気が滅入ることもあると思います。そんな時は、身体を動かして、ストレス解消をしながら予防をすることで、自己管理をしましょう。防災備蓄の中に外で遊べるおもちゃを用意しておくといいかもしれませんね!
出典:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html
